
「…どう…? 春月のお耳かきで気持ちよくなってくれていたらうれしい…のじゃ…うん、あなたのお顔とっても幸せそう、なのじゃ」 ある昼下がりのこと。誰かからの呼び声を感じたあなたはまた憩雲大社を訪れていた。見慣れた景色の中に少しの違和感。それは拝殿の陰からこちらを覗く小さな妖狐、春月の視線であった。どこか真剣なその眼差しはかつて出会ったあの姉妹を彷彿とさせる。これは桜舞う神社で、お狐様との不思議な出会いと癒しのおはなし。
あ…と、突然話しかけて、ご、ごめんなさいなのじゃ…!」
「その…ええと、よし…こういう時は、その…先ず自己紹介しないとじゃね…」
「わ、私は春月(はづき)と言う…名前じゃ…」
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「うむ……まずは細かい汚れを飛ばすために、お耳の中をふーふーしていくの。少しくすぐったいかもしれぬが、あまり動いては駄目なのじゃ。」
「それでは、参るぞ。…すぅ……ふううううううぅぅぅ~~~~……」
「では、このまま右のお耳かきに参るのじゃ。もし痛みやなにか違和感などを感じたら申してほしい…」
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「…ふふ、少しだけくすぐったかったですが、とても良いごろーんじゃのう。ちょっと幼子みたいで可愛かったのじゃ。」
「それでは、こちらも…右耳の時と同じように…お耳ふーふーからしていくのじゃ….すぅ……」
「ふうううううううぅぅぅ~~~~……」
